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チョーさんの人生たんけん地図 ワンワン歴18年、アルバイト時代も

NHK教育テレビで放送された「たんけん ぼくのまち」。地図づくりの名人、チョーさんが今なにをしているか、知ってますか?

「たんけん ぼくのまち」の衣装を着たチョーさん=オフィシャルブログより
「たんけん ぼくのまち」の衣装を着たチョーさん=オフィシャルブログより 出典: ブログ「きのう チョー あした」より

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1984~1992年にNHK教育テレビで放送された「たんけん ぼくのまち」。

食料品店の店員「チョーさん」が配達中に調べたことを地図にする、小学校3年生向けの人気番組です。

56歳になったチョーさんは今、何をしているのか?

ある時は、Eテレの乳幼児向け番組「いないいないばあっ!」のワンワンとして。

そしてある時は、アニメ「ワンピース」のブルックの声優として活躍しているのです。

地図を書くのに半日かかっていた

「たんけん ぼくのまち」の衣装を着たチョーさん
「たんけん ぼくのまち」の衣装を着たチョーさん 出典:ブログ「きのう チョー あした」


チョーさんの本名は「長島茂」。あの役柄が定着したことから、芸名を「チョー」と変えたそうです。

「たんけん ぼくのまち」初出演は26歳のとき。劇団員として演劇に打ち込んでいた時期にオーディションを受け、選ばれました。

「最初は地図を書く話なんてなかったんです。第一話にも出てきてませんよ」

地図をとりあげた放送回で「書いてみようか」という話になり、それが毎回の定番となったそうです。

チョーさん以外は、全員がその町で実際に暮らしている人たち。チョーさんが働いていたお店も実在していました。そのため、15分番組1本を収録するために4泊5日していたそうです。

地図を書くのはもちろん最終日。初めのうちは半日ほどかかっていたといいます。

「何を描けばいいやら、ほんとに憂鬱でした。そのうち、あそこに犬がいたから目印にしようとか、カラオケ好きのおじさんがいたからマイクを描いて見ようとか。どうやったら親近感を持ってもらえるか工夫しました。慣れてからも、描き上げるまでには4時間ぐらいかかってました。早送りだから簡単に書いているように見えたんですね」

番組を見た子どもたちが、自作の地図やイラスト、お便りをチョーさん宛てに送ってくれました。

子どもたちの夢を壊さないよう、宛先は収録していた市の郵便局留めにしていたそうです。収録の度に郵便局で受け取り、定期的に番組で紹介しました。

そして最終回。チョ―さんは念願かなって自分の店をオープンさせます。

その名も「絶対に損はさせない店、あなたのチョーソン」でした。

コンビニでアルバイトも

インタビューに応じるチョーさん
インタビューに応じるチョーさん


8年にわたった番組終了後、ちまたでは「チョーさん死亡説」が流れます。

「道路の真ん中で地図を書いていてはねられた」「マンホールを探検していて行方不明になった」

番組に出演していた店のおばさんからは「事故に遭ったって聞いたけど大丈夫」と電話までかかってきたそうです。

そのころ、チョーさんは何をしていたのか?

「声優プロダクションに所属していたのですが、仕事が少なかったため、コンビニやイベント設営などのアルバイトをしていました」

5年ほど経ったころ、次の転機が訪れました。

ワンワンのため、1日10キロ走る

インタビューに応じるチョーさん
インタビューに応じるチョーさん


教育テレビで「いないいないばあっ!」が始まることになり、ワンワン役に選ばれたのです。

番組の設定上、犬嫌いだったはずのチョーさんが、こともあろうか、犬の着ぐるみとは。

自らが中に入って演じ、マイクをつけて声も担当しています。20キロ近い着ぐるみの中で、時には側転も披露します。

ワンワンを始めた年齢が38歳。決して若くはありません。体力づくりのため1日10キロのマラソンは欠かせないそうです。

「ロケに行った日も走ります。でも、もう年ですから、夏場は陰を探しながら歩くように走ってます。走ってるのに足を蚊に刺されちゃって、おいおいっ!って感じです」

ワンワンとして地方公演を終えた後、来場者と握手する時間があります。

そんなときに保護者から「チョーさん」と声をかけられることもあるそうです。もちろん、変身中なので応えることはできませんが。

(追記:「実はチョーうれしいので、いっぱい声掛けてくださいね」と思っているそうです)

「ワンワンも、もうすぐ20年。息が続く限り、できるものなら続けていきたいですね」


次の夢は、映画に出ること

自らの半生を地図にするチョーさん
自らの半生を地図にするチョーさん


そんなチョーさんには、もうひとつ夢があります。

それは「映画に出ること」です。

役者としてのチョーさんは「たんけん ぼくのまち」でほぼ止まったまま。

「誰かが見てくれているはず」と言い続けてきましたが、声優の依頼は増えたものの、俳優の仕事は来ませんでした。

地元の埼玉県鴻巣市の土手を走りながら「誰かオレを見つけてくれー!」と叫んだこともあったそうです。

「たんけんのチョーさんとも、劇団時代のハイテンションとも違う、ギャップのあるチョーをお見せできたらと思います」

そう言ってはにかむチョーさん。髪には白いものが混じり、しわも深くなりましたが、笑顔はあの頃と変わらぬままです。

取材を終えた後、「チョーさんの人生を地図にしてください」と無理を承知でお願いしました。

快くペンをとってくれたチョーさん。

ほんの15分足らずで完成したのが、この絵です。

チョーさんの描いた人生地図
チョーさんの描いた人生地図

【おまけ】チョーさんにまつわるウンチク


▼「たんけん ぼくのまち」の主題歌は坂本九さんが歌っていた。坂本さんが日航機墜落事故で亡くなった後、チョーさんが歌うことに

▼2009年に放送された「今、よみがえる!たんけんぼくのまち 2009」では、チョーさんがかつて住み込んで働いた店を訪ねている。このときの様子はDVD「たんけん ぼくのまち」に収録されている

▼チョーさんがなぜ「犬嫌い」の設定になったのか。それはチョーさん=長島茂雄さんで、そのライバルがワンちゃん(王貞治さんの愛称)だったから

▼死亡説が流れた後、声優の仕事で「生きてるよ」とアドリブを入れたことがある

▼声優としては、ワンピースのブルック役以外にも「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム役などを担当

▼「いないいないばあっ!」の番組中で使われた「パクパク音頭」や「スーパーワンのうた」などの作詞・作曲も手がけた

▼振付師のラッキィ池田さんと親交が深く、6番弟子と自称している

チョーさんの近況はオフィシャルブログ「きのう チョー あした」でどうぞ

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