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バイリンガールちかさんに聞くユーチューバーへの転身と年収
最近テレビやネットでYouTubeの「好きなことで、生きていく」という広告を見かけます。動画投稿で収入を得る「YouTuber」を紹介した広告です。そうしたクリエーターさんの実態はどうなのでしょう。どうやったらなれるのでしょうか。チャンネル登録者数15万人を超えるバイリンガールちかさんに聞きました。
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最近テレビやネットでYouTubeの「好きなことで、生きていく」という広告を見かけます。動画投稿で収入を得る「YouTuber」を紹介した広告です。そうしたクリエーターさんの実態はどうなのでしょう。どうやったらなれるのでしょうか。チャンネル登録者数15万人を超えるバイリンガールちかさんに聞きました。
最近テレビCMやネット広告でYouTubeの「好きなことで、生きていく」という宣伝を見かけます。YouTubeに動画を投稿し、その再生回数の多さで収入を得て生計を立てる「YouTuber」というクリエーターたちを紹介した広告です。「好きなことで、生きていく」なんて、何ともうらやましい響きです。さて、実態はどうなのでしょう。現在、自身のチャンネル登録者数(フォロワーのような指標)が15万人を超える日本有数のYouTuberであるバイリンガールちかさん(29)に聞きました。
ちかさんはYouTubeに英語学習コンテンツ「バイリンガール英会話」を投稿しています。これまでのレッスン動画は231本。東京五輪招致で知られる「お・も・て・な・し」さんや号泣して有名になったあの県議など、コスプレを駆使したり時事ネタを盛り込んだり。楽しくおかしく英語を教えてくれます。再生回数は計1千万回を超えます。動画は喜劇っぽいテイストで全体的におちゃめでポップな雰囲気です。
バイリンガールさんはその名の通り小学1年から父親の仕事の関係で米シアトルで暮らした帰国子女です。ワシントン大学・ビジネススクールを卒業後、帰国して大手の外資系コンサルに入社。コンサル時代の2011年、知人の英文履歴書を添削しているときに「a」と「the」の使い分けが不正確だったことが気になり、「需要あるかも」と思って英会話学習動画の投稿を始めました。
半年ほどで350人の登録者がつき、反応が来ることに「はまった」そうです。ビジネス目的で始めたわけではなかったのが、あれよあれよと楽しくなり去年12月、会社を辞め専業YouTuberになりました。
―会社を辞めるとき不安はなかったのですか?
(即答で)ありませんでした。コンサルの仕事は自分以外の人でもできると思ったので執着はなかったです。なので、悩んで悩んで辞めたというよりも、好きなことしようと思ってサクッと辞めた感じですね。
―コンサル時代と生活はどう変わりましたか?
自分に厳しくなりました。撮影も「自撮り」ですし、企画も演出も編集も、全部1人でやっています。誰かが注意してくれるわけではないし、というか誰も何も言ってくれないし。朝起きて好きなことやりたいことができる、というのは、自律した生活をしなきゃいけないということの裏返しです。
編集は自宅でやっています。カメラは市販のデジカメです。動画は1本5分を目安にしています。5分は長い方です。ダラダラしないように気をつけています。他に意識しているのは、見ている人との距離感です。親近感を持ってもらえるような「友だちっぽい距離感」を意識しています。大勢の前で話すのと、カメラの前で話すのは全然違うので、恥ずかしいとかそういう意識はないです。
もちろん視聴者からの批判も直接届きます。みんながみんな好きでみてくれているわけじゃないということに気づかされますね。でも批判の中でも「つまらない」と言われるのは一番きついです。それはだいたい自分も気がついているので「痛いとこ突かれた」って思いますし、それよってやる気を刺激されることもあります。もともとポジティブな性格ですし。
―収入面はどう変わりましたか?
辞めた直後の月収は4分の1くらいに減って20~30万円くらいでした。
収入は単純な動画再生回数で決まるのではなく、クライアントから依頼を受けて制作する動画もあるので、月ごとによって全然収入は違ってきます。なので、年収がいくらですかと聞かれても答えられません。
それに専業YouTuberになって1年経っていないので、年収は判明していません。ただ、私としてはお金はついてくるものという考えなので、ビジネスありきで動画を作っているという感じではないです。
―素人がYouTouberになるにはどうしたらいいですか?
伝えたいことを明確にすることだ思います。お金を稼ぎたいとか、他のYouTuberのコンテンツのマネをしてみたいとかでは長続きしないように思います。自分がYouTubeを通して伝えたいことがあれば、それを表現すれば良いと思います。
ただ、伝えたいことはすぐには見つからないかもしれません。でも、とにかく興味のあることは何でも手を出してみること、アクティブにやってみることが近道だと思います。
私自身、英会話動画はビジネス目的で始めたものではありません。最初は趣味でやっていました。それは好きだからやっていたことで、その好きなことやっていることを見てくれる人がいて、「役に立ちます」とか「勉強になります」とか、見てくれている人からのフィードバックがあって、これはやっていく価値があるんだなと思えるようになりました。好きなことを続けていけば、伝えたいことは明確になります。
―最後に、あの英会話動画を見続ければTOEIC800点とれますか?
(即答で)とれません。教材ではないので。ただ、英語学習のモチベーション維持にはなると思います。英会話の勉強に疲れたら見てほしいなと思います。