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2014年10月26日

新聞5紙ハッカソン、新サービスの可能性は 藤村・古川両氏に聞く

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新聞5紙が共催したハッカソンの集合写真

新聞5紙が共催したハッカソンの集合写真

 ライバル関係にある全国紙5紙が協力し、「新聞5紙 NEWS HACK DAY」というイベントを18、25両日に共催した。5紙がそろって記事や写真などのコンテンツを外部のエンジニアやデザイナーに提供し、新サービス開発を競ってもらう催し。参加12チームのうち、優勝したのは、親が子どもに読んでもらいたいニュースを選び、弁当のように毎朝届ける「べんとータイムズ」だった。審査員を務めた、スマートニュース執行役員の藤村厚夫氏とnanapi代表取締役の古川健介氏にイベントの感想やメディアの展望について聞いた。

新聞5紙のハッカソン始まる 49人がサービス開発競う:朝日新聞デジタル

「べんとータイムズ」が最優秀賞 新聞5紙ハッカソン:朝日新聞デジタル

新聞5紙 NEWS HACK DAY 会場の様子&表彰式

出典:Youtube「Asahi Media Lab」

nanapi古川氏「なぜ伝えるか。そこに愛と親切心」

生活の知恵を共有する情報サイト「nanapi」の古川健介代表取締役

生活の知恵を共有する情報サイト「nanapi」の古川健介代表取締役

Q 12個の新サービスを見た感想は。
A 新サービスが注目したポイントは大きく2つに分けられると思います。一つは、ニュースをクイズにしたり、俳句にしたりという「どう見せるか」。もう一つは「誰に、なぜ、伝えるか」です。最優秀賞をとった「べんとータイムズ」は親が子どもに読んでもらいたいニュースを選ぶ。社内で同僚や部下に読んでもらいたいニュースをシェアする「CompaNews」も同じ考えでした。これはとても大切な部分だと思います。
Q なぜでしょう。
A 世の中にニュースはあふれています。面白おかしいニュースも、もう間に合っている。その中でどうやってニュースを読んでもらうか。親から子へ、社内の同僚へ、愛や親切心を持って伝えるときに、ニュースは輝きます。それはとってもネット的なコミュニケーションです。
Q 紙では不可能な部分ですね。
A 新聞は3Cを独占して強さを発揮していました。新聞というコンテンツ、新聞紙という記事を載せるコンテナ、そして流通というコンベア。ですが、ネットではコンテナとコンベア部分の強みを失っています。どうやってデリバリーするのか。これがハックするポイントです。新聞社にとっては、ビジネスモデルを大転換しなければならないところです。
Q コンテンツをつくる部分しか強みが残らないとすれば、どういう手法が考えられるでしょう。
A 取材力やコンテンツ力は新聞社が圧倒的に強い。楽観的に言えば、あと2年もすればウェブでもお金をもうけられるようになります。ネットに広告を出すクライアントが増え、アドテクも発達するからです。よいコンテンツを作り続けながら、それを待つ。これまでの20年はネットの黎明期だから儲からなかったですが、これからバラ色の時代がやってきます。
Q マスメディアのように千人を超える記者を雇うモデルでも利益がでるでしょうか。
A それは難しい(笑)。ネットは紙と違い、どれほど読まれたかなど成果もわかります。記者に差が出てくる。技術の進展で例えば記者会見の生中継などで、現場に人を出さなくてもいいところもでてくるでしょう。そういう効率化も必要です。

スマートニュース藤村氏「技術で突き抜ける発想を」

キュレーションサービス「スマートニュース」の藤村厚夫執行役員

キュレーションサービス「スマートニュース」の藤村厚夫執行役員

Q 12個の新サービスを見た感想は。
A ニュースをどう見せるかというアイデアは面白いものが多かったですが、技術にフォーカスして、突き抜ける発想がもっとあっていいと思います。今回のイベントのテーマが「ニュースの新しい読み方、楽しみ方」だったので、ないものねだりかもしれません。
Q 「技術にフォーカス」とは、例えばどういうものでしょう。
A 新聞5紙からAPI(記事提供ツール)が提供されているのだから、それを生かしてニュースをより深く読むアイデアがあってよかったと思います。例えば、同じテーマの5紙のニュースを抽出して比較するような。各紙が書いていることの差分や足りないものは何かを調べるようなものです。
Q いま流行のキュレーション的な考えですが、なぜそういうアイデアが少なかったと思いますか。
A 新聞やジャーナリズムのコンテンツにこだわりを持って読んでいる人が少なかったのかもしれません。それが今回のイベントの参加者に特徴的なのか、世代的なものなのかはわかりませんが。
Q スマートニュースのユーザーは、今回の参加者たちの感覚に近いんでしょうか。
A そうですね。スマートニュースでは、多くのメディアから同じテーマの記事が集まると、様々なニュースを読むという多様性を削いでしますので、それを抑制するアルゴリズムになっています。でも、深く読むという意味では、同じテーマをそろえるという方向性もありえます。
Q 最優秀賞をとった「べんとータイムズ」はアルゴリズムではなく、人がニュースを選ぶサービスでした。
A 親から子へ、すぐそばにいるたった一人のためにニュースを選んで届ける。これはより遠く、より多くの人にニュースを運ぶというこれまでのメディアの発想とまったく違うものです。新聞社はこれまで自分たちのコンテンツが他のメディアにキュレーションされることに抵抗感を持っていましたが、親から子へ愛を持って選ぶとなると、抵抗しがたい。その意味でも非常に面白いし、楽しみなサービスです。

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