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ドラフトの主役、安楽が誓った三つの目標 故・上甲監督の棺に約束

 ドラフトの主役、安楽智大(愛媛・済美)は、今年9月に急逝した恩師、上甲正典監督に誓った三つの目標がありました。弔辞では、胸に秘めていた約束を涙ながらに明かしました。

前監督・上甲正典さんの遺影が飾られたベンチ前で記者らの質問にこたえる安楽智大投手=2014年10月11日
前監督・上甲正典さんの遺影が飾られたベンチ前で記者らの質問にこたえる安楽智大投手=2014年10月11日 出典: 朝日新聞

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 ドラフトの主役、愛媛・済美の安楽智大(3年)は、今年9月に済美の恩師、故・上甲正典監督に誓った三つの目標がありました。弔辞では、胸に秘めていた約束を涙ながらに明かしました。

甲子園優勝、球速160キロ、そして・・・

 安楽が誓った三つの目標は、甲子園優勝と球速160キロ、そしてドラフト1位指名でのプロ入りです。今年7月24日の愛媛大会3回戦で済美は1―4で東温に敗れ、甲子園出場が断たれました。昨夏の甲子園で大会最速タイの155キロを記録。その後、けがなどもあり球速は160キロに届きませんでした。

涙を流し、グラウンドを後にする安楽智大投手(右)=2014年7月24日、松山市の坊っちゃんスタジアム
涙を流し、グラウンドを後にする安楽智大投手(右)=2014年7月24日、松山市の坊っちゃんスタジアム
昨夏の全国高校野球選手権大会で甲子園最速タイの155キロを記録した安楽智大(ともひろ)投手(3年)を擁する済美が24日、愛媛大会3回戦で東温に1対4で敗れた。安楽君は「みんなを甲子園に連れて行けなくて申し訳ない」と涙を流した
安楽投手「笑顔で戦えた」 愛媛大会、済美敗れる 高校野球:朝日新聞デジタル

棺に誓った「1位でプロ入り」

 三つ目の目標「ドラフト1位指名でのプロ入り」です。上甲監督の葬儀では「監督さんを日本一の監督にして、甲子園で胴上げをしたかった」と弔辞を述べた安楽。目からこぼれ落ちる涙を抑えることはできませんでした。

葬儀では安楽智大投手が弔辞を述べた=2014年9月4日、松山市湊町6丁目、代表撮影
葬儀では安楽智大投手が弔辞を述べた=2014年9月4日、松山市湊町6丁目、代表撮影
祭壇には遺影とともに済美、宇和島東高のユニホームが飾られた=2014年9月3日、松山市湊町6丁目
祭壇には遺影とともに済美、宇和島東高のユニホームが飾られた=2014年9月3日、松山市湊町6丁目
ひつぎを車へと運ぶ安楽智大投手(左から3人目)ら=2014年9月4日、松山市湊町6丁目
ひつぎを車へと運ぶ安楽智大投手(左から3人目)ら=2014年9月4日、松山市湊町6丁目
入学時、甲子園優勝と球速160キロ、ドラフト1位でプロ入りの三つを上甲さんと約束したことを明かし、「二つの目標はかなえられなかったけど、三つ目の目標に向かって歩み、160キロに挑戦し続けます」と涙を流しながら誓った。
愛媛)さよなら上甲スマイル 1200人が最後の別れ:朝日新聞デジタル

故・上甲監督、ヤクルト岩村明憲ら育てる

 故・上甲監督は、甲子園のベンチで笑顔を絶やさない「上甲スマイル」で知られました。これは、監督として慕った箕島(和歌山)の故・尾藤公監督のスタイルを受け継いだものでした。これまでに、安楽をはじめ、ヤクルトの岩村明憲らを育てました。

岩村明憲=2013年5月6日
岩村明憲=2013年5月6日
教諭ではないが「人間教育」に力を入れ、自らの指導を「しつけ」「子育て」と表現した。時間や礼儀に厳しく、練習ではしばしば大声で選手を叱りつける。一方、甲子園のベンチでは「選手がリラックスしてプレーできるように」と笑顔を絶やさなかった。
<評伝>パワー野球、甲子園制す 人間教育貫く 上甲正典さん死去:朝日新聞デジタル

最速155キロだけじゃない、安楽のすごさ

 昨夏の甲子園で155キロの速球を投げた安楽。これは、仙台育英・佐藤由規投手(現ヤクルト)に並ぶ甲子園タイ記録でした。155キロを出した時の甲子園では超満員の観客がスコアボードに表示される球速を見てどよめきました。しかも、自己ベストは愛媛大会で記録した最速157キロだというから、驚きです。

力投する済美の安楽智大投手=2013年8月14日、阪神甲子園球場
力投する済美の安楽智大投手=2013年8月14日、阪神甲子園球場
155キロ。2007年の第89回大会で出た仙台育英・佐藤由規投手(現ヤクルト)の記録と並んだ。「おおーっ」「155や」。観客はスコアボードに表示される球速を1球1球確かめ、歓声を上げた。
2013年8月14日:最速、どよめくスタンド 済美・安楽君がタイ記録 第95回全国高校野球 [朝日新聞紙面から]

 選手たちは、誰もが様々な思いを胸にドラフトへ臨みます。そんな人間ドラマも、野球の魅力の一つかもしれません。

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