MENU CLOSE

IT・科学

誰かの商品開発に、なぜかアイデアを提供したくなる 新発想サービス

企業の商品開発に一般ユーザーを巻き込む新発想のウェブサービスがあります。ユーザー目線の商品を作りたい企業と、アイデアを形にしたいユーザーが結びつき、次々と新サービスが生まれています。

日本一人口の少ない鳥取のためのアイディアを募るページ
日本一人口の少ない鳥取のためのアイディアを募るページ 出典: 「とっとりとプロジェクト by 鳥取県 - Blabo! (ブラボ)」サイトから

目次

企業の商品開発に一般ユーザーを巻き込む新発想のウェブサービスがあります。謝礼も出ますが、ユーザーは必ずしもお金を求めていないようです。ユーザー目線の商品を作りたい企業と、アイディアを形にしたいというユーザーによって、活発な「企画会議」が開かれています。

【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」

ペーパードライバーが考える中古車屋とは?

ウェブサービス「Blabo!(ブラボ!)」は、企業から商品の名前やキャッチコピーなどの依頼を受け付け、ユーザーがアイディアを提供。採用されると実際に商品化されるというものです。
中古車販売の「ガリバー」から出された「ペーパードライバーが中古車屋を作ったら?」という依頼には382のアイデアが集まりました。そして、「教習ができるお店」という案が採用され、2012年7月には千葉県幕張に教習ができる中古車屋が生まれました。

中古車販売「ガリバー」によるアイディア募集企画
中古車販売「ガリバー」によるアイディア募集企画 出典:もしも、ペーパードライバーのあなたが、中古車屋を作ってみたら。いったいどんなお店? - Blabo! (ブラボ)

アクティブユーザー1万3千人

「Blabo!」を立ち上げた坂田直樹さんによると、現在のアクティブユーザーは1万3千人。20代から40代の主婦やサラリーマンが多いそうです。お礼の多くは企業が出している製品で、お金ではありません。食品宅配の「オイシックス」が野菜の商品名を募集した時には「野菜1年分」でした。坂田さんは「賞金目当てだと逆にいいアイデアはでません」と言います。

食品宅配「オイシックス」の謝礼は野菜1年分
食品宅配「オイシックス」の謝礼は野菜1年分 出典:Oisixの商品企画部 - Blabo! (ブラボ)

アイデアが形になることで満足

なぜお金をもらえないのに、自分と関係なさそうな企業の商品開発に協力してくれるのか。

坂田さんによると、大事なのは「もっといい商品があったら・・・」「こんな製品を使いたい」といった、ユーザーのニーズに響くような依頼に仕立てることだそうです。そのために、企業の依頼を説明する記事は、なぜそれが必要なのか、どんなアイデアを求めているのかを丁寧に盛り込みます。

ユーザーは自分のアイデアが商品となって形になることにやりがいを感じて参加をする――。そんなサイクルが生まれつつあります。

実現したアイディア。不動産会社が依頼した「気軽なコミュニケーションがとれるマンションのエントランス」には、「食べ歩きMAP」というアイディアが採用された
実現したアイディア。不動産会社が依頼した「気軽なコミュニケーションがとれるマンションのエントランス」には、「食べ歩きMAP」というアイディアが採用された 出典:実現レポート - Blabo! (ブラボ)

「仕事」ではない関係性

インターネットを使って、住んでいる地域に関係なく仕事を依頼する「クラウドソーシング」は、ネット企業などでは積極的に活用されています。一方、「Blabo!」は、仕事ではなく、お金のやり取りもなしで成り立つコミュニティを作り上げているところに特徴があります。

ネットを利用して不特定多数の人たちに仕事を委託する「クラウドソーシング」という労働形態が全国的に広まっている。この仕事のやり方に関連し、会社に属さない働き方について話し合う企画「フリーランス交流会」が8日、新潟市内であり、約20人が参加した。
2014年2月11日:会社属さず働く、新しい形を議論 新潟、20人参加交流会 [朝日新聞紙面から]

日本一人口の少ない鳥取県を何とかしよう

「Blabo!」がいま力を入れているのは鳥取県の特産物をユーザーのアイデアで生まれ変わらせる「とっとりとプロジェクト」です。 スタバもようやく出店が決まった、日本一人口の少ない県を盛り上げる企画。このプロジェクト、「Blabo!」のサービスに注目した鳥取県からの依頼で生まれた企画だそうです。8月のスタート以来、鳥取の地元企業を応援する1000を超えるアイデアが集まっています。
スターバックスコーヒーの出店を受け、鳥取県の平井伸治知事が考えた言葉「わがスナバ県は永久に不滅です」が書かれたパネルを持つスターバックスコーヒーの関根純・最高経営責任者(右)と平井知事=2014年9月12日
スターバックスコーヒーの出店を受け、鳥取県の平井伸治知事が考えた言葉「わがスナバ県は永久に不滅です」が書かれたパネルを持つスターバックスコーヒーの関根純・最高経営責任者(右)と平井知事=2014年9月12日 出典: 朝日新聞

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます