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野人、キャプ翼モデル…続々と「レジェンド」降臨のJ3が熱い

今季から始まったJ3。1999年にJ2が設置されて以来の新リーグは、懐かしの元日本代表の「レジェンド」たちも活躍。チームも東北から沖縄まで個性派揃いです。そんなJ3の魅力の一端を、朝日新聞の地域面紙面から記事をピックアップしながら、ご紹介します。

岡野雅之(左=97年11月、右=14年3月)
岡野雅之(左=97年11月、右=14年3月) 出典: 朝日新聞

目次

 日本にとって、残念な結果となったサッカーW杯。そんな戦いのさなか、地球の反対側の日本国内でも日夜熱い戦いが繰り広げられています。
 今季から始まったJ3。1999年にJ2が設置されて以来の新リーグは、懐かしの元日本代表の「レジェンド」たちも活躍。チームも東北から沖縄まで個性派揃いです。
 そんなJ3の魅力の一端を、朝日新聞の地域面紙面から記事をピックアップしながら、ご紹介します。

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伝説の「レジェンド」たち

高原直泰
~ドイツで輝いた「スシボンバー」~

(左:W杯最終予選=05年9月、右:SC相模原の入団会見=14年3月)
(左:W杯最終予選=05年9月、右:SC相模原の入団会見=14年3月) 出典: 朝日新聞

 02年にはJリーグ得点王に輝き、ドイツのフランクフルト所属時には11得点を挙げ、日本人としては2人目の欧州主要リーグでの年間二桁得点を達成した。そして06年のドイツW杯にもエースストライカーとして出場した高原直泰選手(35)。今年3月にJ2の東京ヴェルディからSC相模原に期限付きで移籍した。

「ピッチで輝くおまえを見たいと誘われた」
朝日新聞デジタル「サッカー元日本代表の高原選手がSC相模原に」(14年3月26日)

デビュー戦では、PKによるゴールも記録。

「PKでも、点を取れば気分的に違う」
朝日新聞デジタル「元日本代表FWの高原直泰、J3デビュー戦でゴール」(2014年4月6日)

市川大祐
~走り続ける高速クロス製造機~

(左:W杯チュニジア戦=02年6月、右:13年11月)
(左:W杯チュニジア戦=02年6月、右:13年11月) 出典: 朝日新聞

 98年に史上最年少の17歳322日で日本代表デビューを飾り、02年の日韓W杯にも出場した市川大祐選手(34)は、藤枝MYFCに所属する。昨年、長年痛みを抱えていた右ひざの手術を受け、リハビリを経て復帰を果たした。

チーム内には若手も多く、「経験を伝えるのも自分の役割」という。
朝日新聞静岡県版(13年11月30日)

今季は、6月22日に初出場を果たした。

岡野雅行
~日本中を湧かせた快足ドリブラー~

(左:W杯アジア最終予選=97年11月、右=14年3月)
(左:W杯アジア最終予選=97年11月、右=14年3月) 出典: 朝日新聞

 日本サッカー史に輝く97年の「ジョホールバルの歓喜」。日本が悲願のW杯初出場を決めた試合で、決勝ゴールを決めたのが、「野人」こと岡野雅行さん(41)だ。岡野さんは09年に鳥取に加入し、昨年引退。今季からJ3に降格した鳥取で、ゼネラルマネージャー(GM)を務める。

「20年間幸せだった。無名だった僕を本当にみなさんが育ててくれた。第二の人生も自分らしく突っ走っていきたい」
朝日新聞デジタル「ガイナーレ鳥取、岡野氏が引退会見」(14年1月17日)

他にもこんな「レジェンド」たちが活躍!
伊東輝悦
=長野パルセイロ選手
96年アトランタ五輪で、「マイアミの奇跡」と呼ばれるブラジル戦で決勝点。J1通算517試合出場は、歴代2位。今年で40歳を迎えるが、現役続行中。

相馬直樹
=FC町田ゼルビア監督。
日本代表の不動の左サイドバックとして活躍し、98年フランスW杯に出場。2010年以来、4年ぶりに町田の監督に復帰。

望月重良
=SC相模原代表
97年、日本代表に初選出。00年のアジア杯決勝のサウジアラビア戦で決勝点を決めた。08年、SC相模原を立ち上げた。

与那城ジョージ
=ブラウブリッツ秋田監督
72年に来日。85年に日本国籍を取得し、メキシコW杯予選に日本代表として出場。13年に秋田(当時JFL)の監督に就任。J3監督では最年長。

キャプテン翼のモデルも

元フランス代表のジダンら世界のスーパースターに影響を与えた漫画「キャプテン翼」。そのモデルとされる人物もJ3に。

水島武蔵
~元祖・天才サッカー少年~

藤枝MYFC新監督に就任した水島武蔵氏
藤枝MYFC新監督に就任した水島武蔵氏 出典:朝日新聞デジタル「『翼』モデル、MYFC監督に」(14年1月8日)
藤枝MYFCは、人気サッカー漫画「キャプテン翼」のモデルとされる水島武蔵氏(49)の新監督就任を発表した。水島氏は記者会見で「自分の経験を生かし、チームをさらに成長させていきたい」と抱負を述べた。
朝日新聞デジタル「『翼』モデル、MYFC監督に」(14年1月8日)

なんと約40年前に、10歳でブラジルへサッカー留学。その後、プロ契約を勝ち取った。

サッカーの本場ブラジルで、3日午後(日本時間4日午前)、初めて日本人選手がプロ入りの仮契約をした。東京都世田谷区出身の水島武蔵君(19)。10歳で単身サッカー留学して以来、9年間の努力の結果だ。
水島君が入ったのはサンパウロ市の名門チーム、サンパウロ・フットボール・クラブで、当面2年間の仮契約。本契約は12月の予定。ポジションはさしあたり、ミッドフィールダーの補欠だ。それでも「本当にうれしい。9年間、一生懸命やったかいがあった」と、柔和な笑顔をほころばせた。
朝日新聞(1984年9月5日)

 ブラジルでは、銃撃事件に巻き込まれ…。

サンパウロ市の知人宅で下宿しながら、入団したジュニア・サッカーチームで猛練習をした。ブラジル人の他の同期生はみな、途中で才能なしとみられて退団させられる厳しさの中、ひたすらプロを目指した。昨年10月には練習の帰りに強盗に襲われ、ピストルで右肩を撃たれた。いまも弾が体に残っている。
朝日新聞(1984年9月5日付)

個性派揃いの参加チームもアツイ

出典:朝日新聞デジタル「J3来季発足 プロ3人でOK 育成・集客…狙い様々」(13年12月16日)

 J3に参戦しているのは、北は東北から、南は沖縄まで12チーム。今回の、J3誕生で裾野は一気に広がり、Jリーグチームの「空白県」は残すところわずかになった。またこうした「空白県」でも、J3参戦を目指すチームが出てきている。
 さらに、今までのJリーグにない試みとして、J1、2で出場機会に恵まれない若手で編成するU22選抜もJ3で奮闘している。
 ユニークなのは地域性だけではない。それぞれのチームも魅力あふれる個性派揃いだ。

AC長野パルセイロ
~「地域のみなさまのパートナー」~

横断幕を掲げてパレードするAC長野パルセイロのスタッフや選手ら
横断幕を掲げてパレードするAC長野パルセイロのスタッフや選手ら 出典:朝日新聞デジタル「JFL初V 長野パルセイロ、歓喜の行進」(13年12月2日)

 昨季、JFL加入3季目で念願の初優勝を果たす。その前の2季もともに2位と、安定した強さを見せつける。さらには、昨年の天皇杯では、ジャイアント・キリング(番狂わせ)を起こしその実力を全国にとどろかせた。

リーグ優勝に加え、天皇杯でも快進撃を見せた。9月の2回戦でJ1名古屋を2―0で破る金星。3回戦ではJ2北九州をPK戦で破った。8強をかけた横浜F・マリノス戦は2―1で敗れたが、J1首位の相手を苦しめ、延長戦までもつれる善戦だった。
朝日新聞長野県版(13年12月6日)

 今季、長野は、第17節を終えて、町田と勝ち点5差の2位につけ、前評判通りの地力を発揮している。

SC相模原
~神奈川県3部からの下克上~

出典: 朝日新聞神奈川県版(14年1月14日)

 元日本代表10番中村俊輔がチームを引っ張る横浜F・マリノス(J1)、風間八宏監督の下で超攻撃サッカーを展開する川崎フロンターレ(J1)、J2首位を独走する湘南ベルマーレ(J2)、キング・カズこと三浦知良選手が所属する横浜FC(J2)とすでに4つのJチームがある「戦国」神奈川県では、新たに横浜SCCとSC相模原がJ3に参戦。特に、高原選手が所属するSC相模原は、「ゼロからのスタート」だったというチーム創設からわずか6年目でのJ参入を実現した。

チームは08年、元サッカー日本代表の望月さんと市民有志が株式会社を興し、発足。「ゼロからのスタート」(望月代表)から、急成長を遂げた。初年度に県社会人リーグ3部でいきなり優勝。次々と昇格して、12年には関東社会人リーグ1部で優勝した。そしてアマチュアリーグ最高峰のJFLに昇格した昨季も3位と好成績をあげた。6人だったプロ選手を新チームでは増やして補強する。JFL出身が主体のJ3でも、優勝争いに加わってJ2、さらにJ1への昇格を目指す。
朝日新聞神奈川県版(14年 1月19日)

ガイナーレ鳥取
サポーターと一緒に作り上げる

出典: 朝日新聞鳥取県版(14年4月29日)

 今季、J3に降格したガイナーレ鳥取。リーグからの分配金や観客の減少が想定される。資金難だが、J2に返り咲かなければ――。そんな状況で、チームは5月、日本海に面した鳥取ならではの「秘策」を発表した。

ガイナーレ鳥取は、攻撃の中心となる背番号10をつける選手を獲得する資金に充てるため、寄付を募ると発表した。境港水産物直売センター(境港市)の出店業者の協力を得て、1万円でベニズワイガニや干物など海産物の詰め合わせを一つ贈る。
朝日新聞デジタル「カネはないけどカニがある ガイナーレが寄付募る」(14年5月31日)

「野人と漁師のツートッププロジェクト」と名付けられた「秘策」。エビでタイどころか、「カニでストライカーを釣る」という岡野GMが推し進めたプロジェクトの成否は……。

J1で活躍の選手ゲット!

ガイナーレ鳥取が獲得したフェルナンジーニョ(左)と、岡野雅行GM
ガイナーレ鳥取が獲得したフェルナンジーニョ(左)と、岡野雅行GM 出典: 朝日新聞デジタル(14年6月18日)

寄付金を元手に、ガンバ大阪や清水エスパルスで活躍し、J1通算47ゴールを挙げたフェルナンジーニョ選手の獲得に成功。

地元に次いで寄付が多かったのは埼玉県。元浦和レッズの岡野雅行GMは「きっとレッズのファン。1年でJ2に復帰しこの恩に報いたい」ときっぱり。
朝日新聞デジタル「ファンの寄付で助っ人選手獲得 J3鳥取、お礼はカニ」(14年6月18日)

J3からはばたけ!

 テレビや新聞のスポーツ面でなかなか取り上げられる機会のないJ3。そんなリーグで、個性的なチームがしのぎを削っています。
 またJ3の選手の大半は、プロ契約ではなく、アルバイトなどをしながら、「二足のわらじ」で奮闘しているのが現状だそうです。
 J3で頑張っている選手が、所属チームをJ2、J1とステップアップさせて、自身も成長を遂げて、2018年にロシアで行われるW杯のピッチに立っている……。
 そんなサクセス・ストーリーが4年後に生まれることを期待しましょう。

J3をもっと知りたい方へ

試合速報、ニュースリリース、日程結果、順位など。J3リーグと各チームの情報も。

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