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エンタメ

「星、みてる?」福岡で六本木で道頓堀で、撮られた夜空がきれい

福岡市中心部の福岡城、東京・六本木、大阪・道頓堀。街中の夜空を記者が撮影した写真には、たくさんの星が写ってました。見づらいけれど、あるんです。

六本木ヒルズとさそり座
六本木ヒルズとさそり座 出典: 初夏の六本木 丑三つ時のさそり座(星空スケッチ)

目次

福岡城址でアジサイとひこ星が競演

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福岡城址とアジサイ=東山正宜撮影
福岡城址とアジサイ=東山正宜撮影 出典:朝日新聞デジタル 静寂の福岡城、ひこ星見えた(星空スケッチ)=2014年6月24日、福岡市中央区。午前2時3分から8秒露光で17分間、連続撮影した121コマを多重露出
 【東山正宜】梅雨の合間を狙い、気象衛星の雲の動きをにらみながら夜空にレンズを向けた。(福岡城址の)大手門は2000年の不審火で焼け、3億8千万円をかけて8年後に現在の姿に復元された。深夜も人通りが絶えない幹線道路からほんの10メートル入るだけで、あたりはお堀を跳ねる魚の水音とカエルの鳴き声だけの静けさに包まれる。西から東へ雲が流れるなか、5時間粘って、17分間の雲の隙間を得た。
朝日新聞デジタル 静寂の福岡城、ひこ星見えた(星空スケッチ)

丑三つ時の六本木 さそり座舞う

六本木ヒルズとさそり座
六本木ヒルズとさそり座 出典:朝日新聞デジタル 初夏の六本木 丑三つ時のさそり座(星空スケッチ)=2007年4月29日午前1時13分、東京都港区の都立青山公園。9秒露出で17分間、103コマを多重露光
【東山正宜】六本木ヒルズ(東京都港区)は、北西に青山霊園や都立青山公園などの緑が広がる。(中略)初夏の深夜、昇り始めたさそり座とビル群のコラボを狙った。(中略)深夜1時すぎ。背後に墓地。近づく丑三(うしみ)つ時。怖さを押し殺しながら待っていると、目の前にパトカーが現れ、ヘリポートをぐるっと警戒して戻っていった。写真にはその赤色灯が帯のように写っている。
初夏の六本木 丑三つ時のさそり座(星空スケッチ)
道頓堀・戎橋と夏前の星座たち
道頓堀・戎橋と夏前の星座たち 出典:朝日新聞デジタル 眠らない心斎橋、寂しく輝く(星空スケッチ)=2012年4月14日午前1時、大阪市中央区。8秒露出で51分間、連続撮影した372コマを多重露出
 【東山正宜】大阪ミナミの繁華街・心斎橋は眠らない。道頓堀にかかる戎橋には、終電を諦めたサラリーマンや若い男女がたむろする。その橋のたもとにあるグリコのネオン看板と、春から夏へと変わりゆく星座たちをファインダーに入れた。
 (中略)若い男性が「何撮ってるんすか?」と不思議そうに聞いてきた。風俗店のスカウトだという。これまで撮った星の写真をタブレット端末で見せると、目を丸くして驚いた。「こんな空にも、星ってあるんすね」。そう言って、少年のような目で夜空を見上げた。
朝日新聞デジタル 眠らない心斎橋、寂しく輝く(星空スケッチ)

「星空スケッチ」は朝日新聞デジタルと朝日新聞福岡地域面にて連載中。
ちなみに東山正宜記者は、あのハヤブサ帰還の写真を撮った人物です。

南天の天の川の前を右下から上方へ横切った「はやぶさ」と回収カプセル=日本時間2010年6月13日、豪州南部グレンダンボ近郊
南天の天の川の前を右下から上方へ横切った「はやぶさ」と回収カプセル=日本時間2010年6月13日、豪州南部グレンダンボ近郊 出典: 2010年6月14日付朝日新聞 探査機「はやぶさ」帰還 カプセル発見 7年、60億キロの旅

「見えぬけれどもあるんだよ」

この話題となると、この人に触れざるを得ません。金子みすゞさん。

20歳の頃の金子みすゞ=金子みすゞ著作保存会提供
20歳の頃の金子みすゞ=金子みすゞ著作保存会提供 出典: 朝日新聞

《星とたんぽぽ》

青いお空の底ふかく、
海の小石のそのやうに、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

散つてすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春がくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
 見えぬけれどもあるんだよ、
 見えぬものでもあるんだよ。

『金子みすゞ全集』(JULA出版局)

<金子みすゞ>1903~30年。仙崎村(現・山口県長門市仙崎)生まれ。本名はテル。家が書店だったこともあり、本が好きだった。下関市に移り住んだ20歳ごろから、仕事の傍ら、雑誌に詩の投稿を始めた。ペンネームの「みすゞ」は、「信濃」にかかる枕詞(まくらことば)「みすゞ刈る」が由来とされている。当時、「若き童謡詩人の中の巨星」とまで称された。
2011年4月13日付朝日新聞 金子みすゞの心、再び光 ACのCMに反響 出版社・記念館に問い合わせ続々

詩にちなみ天体望遠鏡を設置した地元旅館も

高性能の天体望遠鏡が、長門市・湯本温泉の「大谷山荘」にお目見えする。新館の増築に伴い天体ドームを造った。日中でも観測できる本格的な望遠鏡で、同市出身の童謡詩人・金子みすゞの詩「星とたんぽぽ」に触発されて設けたという。(中略)湯本温泉は、空気が澄んだ山間部で外光も少ないため、星の観測には適している。「自分の夢もかなえられたし、星を見て夢をもってもらえたら」と同山荘の大谷幸代会長は話す。
2000年3月11日付朝日新聞 金子みすゞの詩に感動、天体望遠鏡設置 湯本温泉・大谷山荘/山口

旅館「大谷山荘」のサイト。なかなか見事な天体望遠鏡のようです。

山口県 長門市 湯本温泉 大谷山荘の公式サイト。大谷山荘の魅のご案内。

夜でも星がみづらくなった、いまの街をみたら、みすゞさんはどんな詩を書くのかな。

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